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神社・寺院、とくに屋台の屋根には、棟や妻、破風板にいろいろな飾りがある。また、屋根の面にも少ないが一部に飾りが見られる。千鳥破風や軒唐破風なども屋根の飾りといえるが、ここでは、それらは屋根の構造の一部として扱い、飾りからは除く。
屋台(山車・曳山・だんじりなど全体をいう)の屋根の構造は、一般に、古建築の神社・寺院の屋根の構造を模したものである。しかし、神社・寺院は、屋根の構造的にいろいろ凝って荘厳さや威厳を表現したものが多いが、飾りは年中風雨に晒されることもあり、比較的少ない。
屋台の屋根の飾りは、その性格上かなり派手なものが多く、多く見られる切妻屋根、大唐破風屋根や一部に見られる入母屋屋根の棟や妻、破風板などを彫刻や金具などで飾り立てている。屋台の屋根には瓦は使われていないので、瓦による装飾はない。
棟飾りの鬼板や特に大唐破風屋根の妻飾りの懸魚は、鳳凰、麒麟、鯱、龍などの想像上の動物や伝説の物語の一場面などを極彩色や白木の彫刻で飾っている。また、切妻屋根の屋台には、神社の棟に載っている、千木や堅魚木を飾っている。破風板には、有名彫金師による入・出八双の金具などが配置されている。
注1) レンゲ色 の枠の絵は、裏や別のページに絵がある。 |
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| 神社・寺院の屋根は、その構造で信仰の対象としての尊厳さや威厳を表現し、飾はすくない。とくに神社の棟飾りは、せいぜい千木、勝男木である。また、妻側の屋根には、鰭・懸魚・六葉・八双金具などが飾られているが、屋台に比べれば、地味としかいいようがない。寺院の屋根の飾りも、神社にはない瓦葺きの屋根に鬼瓦などを飾ったり、鯱、宝珠、鳳凰、相輪などが飾られる程度である。 |
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神社の切妻・直線屋根の飾りは、千木に堅魚木だけが一般的である。
妻には、鞭懸に破風板に破風飾金具がある程度で飾りは少ない。 |
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神社本殿の切妻・流破風の屋根は、千木や堅魚木が載り、妻側の屋根には、鰭・懸魚・六葉・八双金具など切妻・直線屋根に比べるといろいろな飾りが付いている。
これらの飾りは、妻飾の虹梁・蟇股・斗・束などとマッチした飾りとなっている。 |
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瓦葺きの入母屋屋根の妻を正面へ向けた舞殿。
鬼瓦や破風板の金色の八双金具が印象的。 |
浅草宝蔵門には、屋根飾りはない。鳳凰と宝珠をimageで付けてみたが、飾りのない屋根を見慣れていることもあり、ないほうが落ち着いた雰囲気を感じる。
浅草寺には多くの伽藍があるが、飾りの付いた屋根はすくないなかで、影向堂には鴟尾(しび)が付いている。
万福寺の大雄宝殿(京都府宇治市)には、小さな宝珠と鯱が載っている。 |
入母屋に千鳥破風と唐破風が付いた寺院の屋根の飾りは、鬼瓦と小さな鬼板・懸魚が付いている。 |
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| 瓦葺き屋根の鬼瓦。 |
四注・六注・八注などの屋根の頂点には、露盤宝珠や火焔宝珠などが飾られる。 |
三重・五重塔や多宝塔などの塔には、相輪(九輪)が飾られる。相輪は、塔の屋根に突き出している心柱にはめられているもので、下から路盤、伏鉢、受花、九輪(一般に9個の輪)、一番上に水煙と呼ばれている。 |
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湯島聖堂の大成殿には、棟に鬼\頭(きぎんとう、左絵)と呼ばれる魔除けの屋根飾りがある。
鬼\頭は、一種の鯱で、龍頭魚尾の姿をして頭から潮を吹き上げている想像上の動物で水の神とされ、火災から建物を守るとされる。
また、降棟には、鬼龍子(きりゅうし、右絵)と呼ばれる牙を持つ猫型龍腹の想像上の動物が飾られている。
鬼龍子は、狛犬と同じように悪鬼や邪神が入ってこないように守る飾り。 |
北京の故宮の太和殿などには、瑠璃瓦の魔除けとされる走獣の屋根飾りがあり、清の時代に定型化したという。
これは降棟の飾りで、先頭(左)の仙人が龍・鳳凰・獅子など想像上の神獣を従えており、数が多いほうが重要な建物とされているという。 |
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屋台の屋根飾りは、棟飾りや鬼板・懸魚に精緻な彫刻などの豪華なものが多い。もちろん、破風の線を強調するように控えめな鬼板・懸魚もあるが、このような屋根は少数派で、破風が隠れてしまうほど大きな鬼板・懸魚の屋台が多い。
人形山車の囃子座には、大唐破風屋根が載るものが多く、人形の題材に因む構図の鬼板・懸魚が多い。
舞台屋台の屋根は、ほとんど例外なく大唐破風屋根が載るが、控えめな屋根飾りの屋台もあるが、破風の線が隠れるような鬼板・懸魚が載る屋台が多い。
屋根屋台には、大唐破風屋根や切妻屋根が載り、控えめな飾りの屋台も多いが、鳳凰・唐獅子・亀など豪華な飾りを載せたものも多い。 |
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| 江戸型山車の囃子座の唐破風屋根には、いろいろ工夫した鬼板・懸魚が付いている。絵の山車には桃太郎の人形が載り、鬼板・懸魚は猿・犬・雉をテーマにしている。 |
白木の数羽の孔雀が遊ぶ鬼板・懸魚。鬼板と懸魚の間は、破風板があるが構図的に、鬼板と懸魚を一体の構図にしている。 |
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| 関東に多い大唐破風屋根の舞台屋台のなかには、少な目の飾りのものが多い。 |
全体を彫刻で覆った屋台の屋根飾りは、巨大な鬼板・懸魚が付き、中には破風の形もわからない屋台もある。 |
折角の屋根飾りも見えないほど数多くの提灯を付けた屋台もある。 |
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| 秩父夜祭の笠鉾・屋台の鬼板・懸魚は、日本神話や昔話、中国の故事からとった題材の非常に精緻な彫刻が多く圧巻である。 |
素盞嗚尊の八岐大蛇退治の場面、2頭の寅を退治する加藤清正、甲冑姿の「神武天皇」の金鵄勲章の場面など大きな構図で見やすい彫刻が載る十二所神社の屋台の鬼板・懸魚。 |
切妻屋根には棟飾りはなく、小さな板の懸魚に六葉だけ。唐破風屋根には黒い鳳凰の大きな鬼板・懸魚が飾られている。しかし、どちらも大きさや色で目立たぬようにし、幅広い破風板に張り付けた日光東照宮奉職錺金具師鈴木重信による水玉入り唐草模様の精緻で豪華な破風金具を際立てた富士宮秋まつりの山車。 |
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切妻屋根の高山祭・古川祭の屋台は、千木・堅魚木・宝珠を飾り、大棟の前後に瓔珞を銜えた金色に燦然と輝く鳳凰・麒麟・亀などの豪華な屋根飾りが多い。 高山祭の屋台の屋根の飾りは、非常に多彩である。春・秋祭の23台の屋台の屋根の飾りが全部違うと言っても間違いでないほどいろいろあり、屋根の飾りに焦点を絞って見物するのも興味深い。
飾りは、千木、勝男木、鳳凰、宝珠、麒麟、鉾、幣、鯱、竜、亀などがあり、最も多いのは鳳凰である。豪華な飾りの付いている屋根もいいが、千木、勝男木だけの屋根も端正でよい。 |
鬼板・懸魚は小さめにして、前後の鬼板の上に白や色とりどりの御幣を飾る犬山祭の山車。 |
白木の屋根に白木の小さめの鬼板・懸魚が付くはんだ山車まつりの多くの山車。破風板の金具などの飾りはない。豪華な鬼板・懸魚や金具の付いた屋根の山車もある。
台輪の上に「三韓征伐宝受取り楠公親子の別れ」などの精緻な彫刻がはめ込まれた壇箱、その上に前棚、欄間などに贅を尽くした彫刻や人形で飾られている。 |
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