屋台の引き方は、佐原の大祭の「のの字廻し」や秩父夜祭の方向転換、犬山祭の車切やどんでんなどの動的な引き方と比較的ゆったりとした引き方のとちぎ秋まつりや高山祭などがある。
引き手は、屋台を綱で引いたり押す人、梶を取る人、屋根の上で電線などを除ける人・扇などを持ち煽る人など色々な役割がある。祭りによっては、梶を取るなど力の必要な役割を、鳶職などにお願いし職方といい、町方という屋台を保有する町内の人は綱を引くなどの軽い役割を受け持つなど、役割を分担しているところもある。一方、同町内の若手は力のいる役割、年輩者はその他の役割などで分担している祭りもある。
どちらにしろ、引き手は屋台を操る重要な役割を担っており、多くの人たちが呼吸を合わせて安全にスムーズに行う必要があり、引き手の息のあった動きは見所の一つである。
引き手の衣装は、その役割により統一されている祭りが多い。力が必要な役割の人の衣装は、「鯉口シャツ・腹掛け・股引または半股引・半纏・足袋または草履・はちまき」など動きやすい衣装が多い。
他方、ゆったりとした引き方の祭りや力が必要でない役割の人の衣装は、揃いの浴衣や着物が多い。モーターカーで牽引される山車(日枝神社山王まつり)もあるが、引き手は白装束に威儀をただしている。
屋台の引き手は、屋台祭の主役であり、その祭り衣装は、大きく重い屋台を安全にまた楽しく引き回すために持ち場
ゞ により、見て楽しく、動きやすいものが多い。 |
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秩父夜祭の屋台・笠鉾では、向きを変えるときに、車体中心に心棒を置くために車体を持ち上げる。この向きを変えることを「ギリ廻し」といい、辻々で行われ圧巻である。「ギリ廻し」は、屋台の全長(約7m)とほぼ同じ長さの約20cmの角材を2本屋台の前後どちらかに差し入れ、馬(支点になる台)をテコに約20人が合図で呼吸を合わせて角材に体重をかけ屋台を持ち上げる。屋台はほぼ20°も傾く。その間に、心棒をあてがい、その心棒を中心に屋台の各部に何人かづつぶら下がって水平を保ちながら、みんなで押して旋回する。中には、心棒の替わりに油圧ジャッキで持ち上げる台もあるが、その屋台ではこの光景は見られない。 |
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犬山祭では、車山の後方で、20人ほどの手子連が2本の梶棒を持ち上げるようにして豪快に旋回する。この旋回には、“車切(車輪を滑らせて方向転換する)”、“どんでん(梶棒を持ち上げて、後輪を浮かせて派手に方向転換する)”があり、どちらも3トンもある車山を若い手子連が息を合わせて豪快に換向する操作で、息を呑む思いがする。祭りの当事者が楽しんだり、一生懸命な祭りは、見学者もより楽しく、見所の一つである。 |
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佐原の大祭の幣台には旋回装置がないため、車輪を滑らせて旋回する。そのために車輪は太く頑丈にできており、また引き手は血気盛んな若者が担当する。
この豪快な旋回を見せ場として“ の ”字のように派手に廻る「のの字廻し」は、前輪の左右一方を中心に廻し、後輪はほとんど真横に滑る豪快な演技である。 |
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高山祭の屋台の引き手は、その役割によって衣装が違う。屋台の台輪の中心の大梃穴に差し込んだ大梃で屋台のちょっとした方向修正をする人は、陣笠に陣羽織で巡行の総指揮もする。
綱を引く人、小梃を取る人は、半纏・たっつけ袴に草鞋履きである。半纏はもんぺの中へ入れもんぺの紐で縛っている。寒い土地柄から股引でなく、昔は保温用・労働用に着られたもんぺが祭り衣装となっているのであろうか。 |
成田祇園祭では、囃子に乗って巡行する山車は、成田は急な坂道が多く、山車の前後に非常に長い綱が付いており、全員が揃いの衣装で力を合わせて引く。とはいっても、曲がり道などでは、綱の先端の方は山車を引く力にならないが、みんな一生懸命息を合わせて引く。 |
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| 半纏の柄、手拭いの鉢巻の柄なども祭りのムードを盛り上げる重要な要素である。 |
とちぎ秋まつりでは、3輪の山車の1輪を持ち上げて旋回したり、おだまきを回して人形を上下するなどの力仕事は半纏に股引の職方が行い、綱を引くなどの比較的軽作業は揃いの着物に飾りの襷の町方が行う。 |
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